上海浦東国際空港には何か所か飲食店が集中して設置されているが、地下鉄駅のあるエリアにも数軒のレストランが存在する。
今回機会を見つけそのうちの一軒に行ってきた。
尋ねたお店は地下鉄の浦東機場駅の南側の改札口の正面にある「谷田稲香」というお店。
「谷田稲香」は土鍋で炊いたご飯とおかずの組み合わせの定食中心のメニューで、中国国内に全国展開している食堂チェーンで、比較的リーズナブな価格で気軽なお店になっており、恐らく日本人にも抵抗なく食べられるメニュー構成になっている。
もちろんこの空港店もほかのチェーン店同様にメニュー価格には市中の店舗よりやや割高にはなっているが、それでも非常に割安感があるお店で、旅の合間に気軽に立ち寄れる。
店内は民家風の内装になっており、壁には店名にあるように米へのこだわりを示したような写真が並んでいる。
今回試したのは、台湾魯肉飯(タイワンルーロウファン)、つまり台湾風の煮込み豚肉かけご飯のセットで価格は36元。
料理の注文は、店の入り口でレジで先払いとなり、番号札を渡される。
この番号札は伝票代わりであることはもちろんだが、この店独自の仕組みが仕込んである札となっている。
客がテーブルを選んでテーブルにあるホルダーに差し込むと、ウェイターが客の座った場所が分かる仕組みとなっており、迷うことなく料理が運ばれてくる。
これは日本を含めて初めて見た仕組みであり、良く考えられ工夫されている。7
料理のセットの内容は、土鍋で炊いた状態になっているライスと、茶わん蒸し、煮込み豚肉、キャベツの漬物、筍と豆の煮物、さらには烏梅湯という梅ジュースという構成になっている
この土鍋のごはんが一つのメインとなっているようだが、見る限り実際にこの状態で炊いたようなものではないようで、恐らく電子レンジか何か解凍したものではないかという印象となっている。
で、炊き上がり状態が柔らかくホクホクかというと、そんなことはなく結構固くポロしている状態である。
しかし実はこれは失敗なのではなく、煮込んだ豚を載せるとちょうどよい状態に調整しているようで、実際に豚肉をご飯の上に乗せると程よくほぐれる。
これが普通のごはんの炊き方だと恐らくべちゃべちゃになってしまうはずで、おいしくなるように工夫してあるようなのである。
さて、実際に食べてみると、程よい甘さの醤油で煮込んだ肉がおいしくご飯が進む。
またこのセットには汁物はついていないが、中華茶碗蒸しが汁代わりになっているのと、烏梅湯で潤すことができる。
野菜は多いとは言えないが、蒸したキャベツに醤油がかけてあり、これもおいしく食べられる。
ボリュームとしては、大食漢の方にはやや物足りない可能性もあるが、普通の大人なら十分足りると思われる。
ほかのメニューもメインの料理だけ違うだけで、同じ構成であり価格は35~45元であり、落ち着いた雰囲気で気軽に食事がとれる貴重な空間となっている。
なお店内にはテーブルの下に、コンセントがあり食事時間を利用して携帯電話などの充電は可能そうだが、残念ながらWIFI電波は発見できず、ネット通信は空港共通の環境を利用するしかないようだ。
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