上海虹橋国際空港の第2ターミナル側は、意外とレストラン探しに苦労する場所となっている。
もちろん、ほかの小さな地方空港に比べれば充実している方なのであるが、日本の成田や羽田に比べると、どうも飲食店の数が少なく、レストラン環境が充実しているとは言い難い。
上海虹橋国際空港に隣接する高速鉄道の上海虹橋駅には、出発階のコンコースや到着階にそれなりの飲食店の数が存在するが、空港側には非常に少ないのである。
KFCと永和大王がある程度で、後はスターバックス、マクドナルド、とサブウェイのような軽食となってしまい、お腹は満たせるが食事として考えるとちょっと寂しいお店しかない。
まあ航空機の場合は搭乗すれば、機内食や軽食が提供されるケースも少なくなく、搭乗前に腹を満たす必要性は多くないのかもしれない。
また、セキュリティチェック後の待合ロビーにも幾つかの飲食店が設置されているので、そちらの利益確保のために、セキュリティゲート前の飲食店は増やさない方針である可能性もある。
いずれにしても、セキュリティゲート前のレストランの数は多くなく、食事の選択肢は多くない。
そんな中で、餃子を専門にしたレストランをT2側に一軒発見したので試してきた。
場所は上海虹橋国際空港の3階出発階レベルから、東交通中心(地下鉄駅)方面へ移動し、更にエスカレーターで4階レベルに上がった場所である。
「餃子館」というその名の通りという餃子専門で、店内はシックな中華風の内装となっており、それほど広くはないが、そこそこの人数は収容できる規模となっている。
メニューを見ると、餃子を中心とした定食や麺類、後は一品料理などが並ぶが、いずれも上海市内の同一グレードのお店から比べれば1~2割くらい高い印象である。
今回注文したのは韮の水餃子のセット定食で45元。
韓国料理のコムタンのような淡白なスープと、プチトマト、骨付き牛肉、そして水餃子のセットとなる。
こちらの人によるとどうやらこの構成は中国東北料理の構成らしく、比較的朝鮮半島系に近い雰囲気を持っているようだ。
さて実際に食してみると全体の味の構成としては餃子も含めて比較的淡白でさっぱりで、牛の骨付き肉だけが醤油煮で相対的にやや重めの味付けではあるが、それでも全体としては重くなくさらっと食べられる。
スープもクコの実入りでさっぱりしていて体が温まる印象で、やはり東北の料理なのかもしれないという印象である。
ちょうどこの水餃子を食べたのは中国の正月である春節であり、中国の正月に水餃子を食べるという伝統に倣った形となったが、餃子メニュー自体は通年で提供されている。
レストランが少ないターミナルの中で落ち着いた環境で食事が摂れる貴重な空間であり、ここで航空機搭乗前に中国の伝統食をゆったり食すというのは悪くない選択である。
もちろん構高速鉄道の上海虹橋駅からも歩いてすぐの場所であり、大勢の乗客でがちゃつく上海虹橋駅を避けて食事をしたい方にもお勧めである。
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