ボーディングゲートブリッジを渡ると、真新しい制服に身を包んだ係員が立っていて緊張した面持ちで、到着客を案内していた。
空港ロビーは出発側と到着側を上下に分離した二層式で、例に違わず到着客は下層の通路を歩かされることになるのだが、到着通路は出発階よりエプロン側に少し迫り出しており、上空は吹き抜け状態で出発階側と一緒に空港全体の高い天井に覆われているので圧迫感はなく、エプロン側は当然ガラス張りなので実際の広さより広々と感じる。
もちろん今日完成したてのロビーはピカピカで、空気もまだ淀んでないような印象であり、まだ建設時のペンキの臭いが漂うのではないかと思うほど新しい。
(実際は匂わなかったが、、、)
さて、ここから到着ゲートに向かうのだが、流石移転してまで大きい空港にしたと言うだけあって、非常に通路が長い。
しかも、動く歩道が一カ所しかないためその他は長い距離を歩き続けなければならず、こちらは新空港に到着したという高揚感があるため疲れを感じることもなかったが、やはりちょっと遠い。
このあたりは中国の空港や駅など交通機関の建物全体に言えることだが、見栄え優先で大きな建物は作るが、実際の利用する人の立場に立った視点が欠けており、使いやすさに欠けるのが中国の施設の特徴である。
さてようやく中央部の委託荷物受取場に下りようとすると、通路の両側に荘子や老子などの言葉ととも絵が描かれているパネルがあり、恐らく地元ゆかりの人物を紹介しているようであった。
このあたりは最新の空港に文化の香りを漂わせる悪くない装飾だという気がする。
さて、通路を抜け1階に下りるとターンテーブルが並ぶ荷物受取場であるが、まだ汚れていないターンテーブルと言うのは、数ある空港の施設の中でも一番貴重な体験だったような気がする。
ターンテーブルと言うとどうしても傷だらけのベルトの上を荷物が回っているという印象が強く、今後、この新空港の建物の他の部分は当面は新しい印象を保てるとは思うが、重い荷物をすぐに載せることになるターンテーブルはあっという間に傷ついてしまうに違いなく、真新しい状態を見るのはこの瞬間しかないはずだからである。
実際真新しターンテーブルはまだピカピカで頬ずりしたくなるほど綺麗だった。
そしてターンテーブルの周囲には、テレビカメラが待ち構えており到着した乗客のインタビューを行なって感想を聞いていたようだ。
ところで、件の1番機争いの件だが、到着便情報を見ると、北京からの便が1番で0時2分、その後鄭州からと連雲港からの便が続き、私が乗ってきた便は4番目だったようだ。
他に3機も停まっていたかなという印象だが、考えてみればこの空港のターミナルはエプロン側に向かって弧を描いて迫り出す錨のような形状となっており、中央より反対側に駐機している機体は確かに見えない形状なのである。
(つづく)
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