4年前の年末年始に中国東北地方へ赴いたことがある。
第一の目的は仕事?でハルビンの氷祭りを取材しに行くことであったのだが、折角の冬の東北紀行なので前後でいろいろと興味のある行程を付加して旅をしてきたのだが、最近、整理をした際にその時の記録の写真が出てきて、世間的にどこにも未発表だったので、ここでそれらの写真を使ってその当時のことを色々と改めてご紹介したい。
この東北紀行でまず訪れたのは吉林省の長春であり、この時にこの都市を訪れた目的はかつてのヤマトホテルに宿泊することであった。
暮れも押し詰まった2009年12月30に長春龍嘉国際空港へ到着する。
何せ4年も前のことなので記憶が定かではないが、飛行機は1時間以上遅れて現地に到着しもう夜も遅い時間だった気がする。
この時期、吉林省一帯は大変な寒波に見舞われており、その影響で各地で飛行機が遅れていたのである。
長春空港から市内までのバスがあることは調べてあり、市内から人民広場までリムジンバスに乗る。
外気温はたぶんマイナス25℃くらいだったという気がする。
北国の高速道路なのでどの程度走ってくれるか分からず心配したが、やはりそれほど飛ばせず、思ったより時間がかかった。
そしてそこからタクシーで鉄道駅へ向かうのだが、運転士がメーターを倒さず走り出し、10分ほどで駅へ着く。
料金は30元と言い値であり、少々高いなと思いつつもケンカするほどの中国語力もなく、慣れない寒さで疲れていたため素直に30元を渡して長春駅前でタクシーを降りた。
長春のヤマトホテル(大和旅館)こと現在の春誼賓館は長春駅の目の前にあるのである。
近年の大きな建物と比べるとやや小ぶりであるものの、歴史的建築とあって堂々としたつくりである。
以前は格式が高いホテルで、一般人がお金を出しても泊まれるような場所では無かったようだが、この数年前から解放され一般人もお金さえ出せば泊まれるようになった。
しかも宿泊費は確か300元にも満たず、この手の歴史建築のホテルとしては格安で、まあ冬季の寒い時期真っ只中ということもあり、観光客も少ないという事だったのかもしれない。
しかし大広間や廊下、宴会場などそこここに時代を感じさせる気品が漂っており、宴会場には「東京」「名古屋」といった日本の地名が付けられここ旧ヤマトホテルであった名残がそのままとなっている。
また客室内装や調度品の一つ一つは歴史を感じさせる風格があり、ここが何十年もの歴史を経ているのだと感じさせる雰囲気を持っている。
しかし、当然の如く近代的な設備も整っておりドアはオートロックで、テレビなどが設置され普通のホテル化されている。
ただ部屋から長春駅が正面に見え、このホテルが長春の一等地に立つホテルであることに気が付かされ、部屋の雰囲気はここがかつて時代の舞台であったことを想像させるに十分なものをもっていたのである。
部屋の宿泊案内の資料にも、ここがいかに歴史のある建物かをこと細かに記した資料もあったのである。
翌朝改めて外からこのホテルを見てみたが、やはり立派ななものであったことを記憶しているし、改めて写真でそれを確認したのである。
(これらは全て2009年12月の情報です)
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