雲のない夏の夜、夜空を眺めているとふわふわと点滅しながら近寄ってくる物体がある。
しかも一つだけではない。
ある光は南の空から、ある光は西の空から静かにじわじわと近寄ってくる。
まるで、ホタルが集まって来ているかのごとく四方から光が集まってくる。
晴れた夜だと特に星と重なってその光景が美しく印象的である。
もちろん、その光はホタルなどではなく、上海虹橋国際空港に向かう飛行機のライトなのである。
虹橋空港では22時を回っても次から次へと飛行機が戻って来て、その光がまるでホタルの如く四方から集まってくるのである。
まあ正体を明かせばあんなにでかい飛行機の機体なのに、すーっと空港に向かって飛んでくる様はどこか虫のようでもある。
夜、虹橋空港にあつまる光たち、空港のそばならではのこの不思議な夜景は何処か風流である。
空港のそばに住んで、こんな風景が見られるとは思わなかったので、どこか得した気分になっている。