上海の空港というのは、上海という大都会の玄関口の割には、日本の空港などに比べてレストランなど食事の施設がかなり貧弱という印象がある。
寿司店、そば店など一流ホテルにも出店するような高級なお店が軒を並べる日本の空港とは事情が大幅に違い、ファーストフードやカフェの有名チェーンが軒並み出店しているものの、高級な美味しいものが食べられるような状況にはなっていない。
4年前に出来たこの上海虹橋国際空港T2(第2ターミナル)もその例にもれず、まあ食べるところが全くないという訳ではないが、落ち着いて食事するを拠点にはなっておらず、カフェのついでに最低限の腹ごなしをする程度の空間しか置かれていないという印象だ。
中国では空港が搭乗前に滞留する場所ではなく、単なる通過点であるという考え方のようだ。
そんな上海虹橋国際空港T2の中で、貴重な食事場所の一つとなっているのがこの永和大王という台湾系列のレストランチェーンである。
永和大王という店は日本で言えば牛丼の吉野家のような存在で、台湾名物のそぼろご飯や牛肉麺などが主力メニューとなっている。
大陸の中華料理に比べると全体的比較的薄味で、日本人にも受け入れやすい味付けになっているのではないかと思う。
今回頂いたのは「大王香茄鹵肉飯特餐」、つまり椎茸と挽肉のそぼろ炒めのせご飯の特別セットというような内容で、35元であった。
さて出てきたのが写真のような状態であり、空港のレストランではあるが、さすが中国クオリティというか皿と箸類の配置がぐちゃぐちゃのまま出てきた。
安い料理なので仕方ないと言えばそれまでだが、空港の店なのにほんのちょっとのところの気遣い不足が残念である。
脇のグラスは烏梅湯という梅のジュースで夏の中国の風物詩のような飲み物であり、良く確認しないで頼んでしまった自分が悪いと言えばそれまでだが、食事にはちょっと甘い飲み物だ。
さて食べてみた感想は、ご飯そのものは美味しくいただけ、味付けには不満はなかった。
ただやはりボリューム的にはちょっと寂しい印象であり、これで食事としてはちょっと物足りない。
どうもやはり中国の空港での食事というのは、通過点のなかの一時しのぎという扱いらしい。
ところで話はずれるが、この上海虹橋国際空港は世界の空港評価ランクの中で、最近上位の表彰を受けたとのことを聞くが、個人的にはこの評価期間の評価は韓国や中国の空港に偏っていると感じる。
噂によれば中国人や韓国人が組織票的に投票したり、評価点になるところだけ無理矢理かさ上げしているとの話もある。
つまり評価と実際の印象がかなり乖離していると感じるので、これらの評価をあまり信用しないことにしているし、このサイトでも原則取り上げない事にしている。
実際、上海虹橋国際空港をいろいろウォッチする限りにおいて、評価点のなかでどう扱われているかは知らないが、今回のレストランにような居心地の良さを日本の成田や羽田と比較する限りにおいて、とてもこの上海虹橋国際空港が上回っているようには思えないのである。
待ち時間が長い空港ならではの美味しい料理のレストランを期待したいものである。